『世界難民の日 2018東海』、6月16日 名古屋市にて開催へ

東海在住シリア人男性を通して考える日本の難民政策

mizue_niwa /

イベント紹介チラシはこちら

 

2018616日(土)、NPO法人名古屋難民支援室の主催による『世界難民の日2018東海』が、名古屋大学で開催される。

620日の「世界難民の日」に合わせて開かれるこのイベントでは、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)主催により昨年日本各地で開催された『難民映画祭2017』の上映作品のひとつ、『シリアに生まれて(原題:Born in Syria)』が再び上映される。また、東海地域在住で難民申請中のシリア人が担当弁護士とともに登壇し、日本に逃れてきたいきさつと、直面している問題について語ってくれる。


あなたは、「難民」という言葉を聞いて、どんなイメージを思い浮かべるだろうか。これはいったい誰のことだろうか。

 

ニュース、新聞、SNSを通して多少の関心を持っている方もあれば、対岸の火事のような感覚をお持ちの方もいるだろう。自分の今の生活や将来についてのほうが大事、日本の政治経済だって色々大変なんだから、気にするならまずそっちが先じゃないの? そのようい思われる方もあるだろう。

どのように生き、何を大切にするのか、何に関心を払うのか、それは個人の自由である。

しかし、自分の国での命の危険から逃れるため、そして助けを求めるため、日本にやって来る人々がいることもまた、否定しようのない事実である。

 

日本に暮らす難民は、難民申請中を含め約2.5万人。

毎年の新たな難民申請者数は、2010年には1,202人、6年後の2016年は10,901人と初めて1万人を超え、翌年2017年は19,628人となった。名古屋入国管理局での難民申請者数は、関東に次いで2番目で、2016年は約2,500人である。

このような数で表される一人一人が、本当に自国に帰ると命の危険にさらされる可能性があるのか、については専門的な判断を要する。同時に、「生きる上での安全と安心の欠落」の理由は様々であることにも、毎日食べることができ寝る場所のある日本の一般市民としての私たちは思いを致さねばならないのではないか。

 

今回上映される映画には、シリアの7人の子供たちが欧州各国へ逃れる道々が映し出される。無事にたどり着ける子もいれば、撮影クルーが消息を追えなくなる子もいる。彼らは子供でありながら、子供ではない。その厳しすぎる、希望の見出せない環境が彼らをそうさせるのである。

この映画には、感傷を誘う意図はみじんもない。有り余る現実感覚と共に、観ている私たちは子供らと道を共にすることになる。

「難民」と呼ばれる人々の中に、この映画に登場するような子供が多くいることを心に留めねばならない。世界の難民約1,720万人のうち51%18歳以下だとされている。

 16日の名古屋大学では、7人の子供らが脱出せざるを得なかったシリアの状況について、あるシリア人男性が私たちの前で語ってくれる。

彼が日本で難民申請をしたのは2013年。「人道的配慮」により日本での在留資格を付与されているが、いまだ「難民」として認められておらず、様々な困難と壁に直面している。この彼にもまた、映画の中に映し出されている家族の離別という問題が、のしかかっている。

ドイツが1年間で約26万人を難民認定し(2016年)、カナダでは25千人のシリア難民受け入れを公約にかかげたカナダ自由党が2015年冬の選挙に勝利、2016年冬までに政府主導、民間主導併せて目標の受け入れ数を達成している。

このような各国の動きと比較し、日本で「難民」として認められることが難しいのは、なぜか。

日本に逃れてきた彼らが直面する理不尽さは、16日当日、当事者の体験談と、彼を担当する弁護士の解説によって明らかにされることだろう。

 

今日、難民=シリア、というイメージを持つ方も多いだろう。そのような人には、実際当事者に会い、一人の人間としての人生、思いを直接聴くことは、報道とは異なるひとつの「体験」として何らかの意味を持つことになるだろう。

一方で、「生きる上での安全と安心」を享受できない人は、知ろうとすれば、その他の国々にも、そして日本国民としての制度的資格を持つ人の中にも見出されることを付け加えておきたい。

〇〇ファーストという支持者囲い込みと内向きの思想は、その枠に入ることのできない人々を排除する行動につながっていく。

そんな世知辛い、きな臭い空気が今の世の中には確実に潜んでいる、と思うのは考え過ぎだろうか?

 

出典:

・名古屋難民支援室 2016年度事業報告

www.door-to-asylum.jp/dan_website/2016jigyouhoukokusho201703.pdf

・難民支援協会 2016年度年次報告書

https://www.refugee.or.jp/about/ar.shtml

・難民支援協会 カナダの民間難民受け入れ(プライベート・スポンサーシップ)に学ぶ

https://www.refugee.or.jp/jar/report/2016/10/18-0000.shtml

・国連UNHCR協会

https://www.japanforunhcr.org/lp/refugees?utm_source=yahoo&utm_medium=cpc&utm_campaign=JA_JA_UNHCR_Brand_refugees

・法務省 プレスリリース

www.moj.go.jp/press_index.html

Refugees and Asylum, Government of Canada

https://www.canada.ca/en/immigration-refugees-citizenship/services/refugees.html

 

 

世界難民の日2018東海 上映会×講演会
開催日 2018年6月16日 (土)
時間13時開場、13時半~16時半
会場名古屋大学 東山キャンパス 文学部棟237教室
参加費無料
申込方法予約不要
内容映画上映:『シリアに生まれて』監督:エルナン・ジン 制作国:デンマーク、スペイン 2016年、84分
講演会:東海地域在住の自国に帰れないシリア人及び担当弁護士による講演を通じて、日本の難民政策の実状を考えます。
関連リンクhttp://www.door-to-asylum.jp/index.html
Keywords :
mizue_niwa

会社員、名古屋市在住。

[記事一覧]