火中の栗を拾う – あいちコミュニティ財団

信用の失墜と再生

Hirotaka Fujioka /

信用失墜させた”件の不祥事”

不祥事であいちコミュニティ財団が世間の耳目を集めたのは記憶に新しい。

「超過勤務未払い」の事実で労働基準監督署から是正勧告を受けた。
この時、職員からパワハラ被害の申し立てもあった。

当該組織は愛知県の大村知事や名古屋市の河村市長も顧問を務める公益財団法人。地域社会へ新たな価値提供を目指す大義を掲げた組織の信用失墜の衝撃は大きかった。

事件を受けて、代表理事は辞職し理事の約半数が交代。組織体制の見直しをはかった。
2017年12月頃、約1年前のお話。

本記事のライターであるフジオカは件の代表理事についてよく知る間柄だった。
財団の前身といえる組織(市民バンク)の運営に協力していたから。
精力的に活動していた彼の後任として、どなたかがリーダーシップを引き継いだということは風の噂に伝え聞き、気になる事だった。
しかし、その後の進展については情報がなく、風前の灯火なのではという漠然としたイメージがあるのみだった。

火中の栗を拾う

「えんがわの会」というイベントがある。
社会貢献活動に真摯に取り組む方をゲストに招き、ひたすら質問しまくるイベントだ。
名古屋市の市民活動センターで定期的に行われている。
そのイベントに、新たに財団の常務理事として指揮の後任に着いた”栗木梨衣さん”が登壇された。

栗木さんの経歴
愛知県国際交流協会で多文化共生分野の事業を担当。
愛・地球博のボランティアセンターへ出向し、3万人のボランティアを研修した経験を持つ。

培ってきたマネジメントの能力を生かし、専門家たちの力を借りて財団の組織を立て直している。
元は畑違いだが、だからこそしなやかに、大胆に手を付けられることもあるだろう。

あいちコミュニティ財団は新たなスタートを切った

事件の印象が根強く、通夜のように過ごしているイメージを勝手に持っていたが、新常務理事が就任直後の混乱状態をとうにクリアして、一歩ずつポジティブに再建を進めている。

諸外国と比べて寄付の文化醸成・制度化が遅れている日本において、財団が果たすべき役割はまだまだ残っている。社会に必要な組織だ。

新リーダーは柔和で明るい雰囲気を持ち、財団の未来に優しく新しい風を感じさせてくれた。
「あいちコミュニティ財団は新たなスタートを切った」ことをみなさんも知って欲しい。

参考資料:えんがわ通信vol.8 (運営組織「しみかつネット」によるレポート)

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Hirotaka Fujioka

フリーランスのカメラマン・デザイナー@フジオカヒロタカ デザイン事務所。
Media for Society 編集長

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